秘密少女の非日常。Ⅱ
はぁ、と思わずため息が…。
「人の顔見てため息吐いたらいけないよ?」
ニコニコとキモい笑顔を張り付けてソイツは行ってきた。
『おお、涼ごめんごめん。話の途中で何やら耳にハエの雑音がしてね。』
でもその言葉を無視してあたしは赤ずきんと涼の方を向いて、やだやだという風に手を動かしながら言う。
「…無視してんじゃねぇよ。」
耳元でボソッと囁かれた。
うわ!!ヤダー耳ガ腐レルー!!
「なぁ…?」
またもや囁かれた。
もうやめて…。
これ以上喋られたら聴覚が失われるわ。
「ちっ…おい黙ってっとどうなるか…分かってるよな…?」
わーもうダメだーあたしの今までの生活、グッバイ。
聴覚が失われたら普通の生活、出来ないよね…?
これ以上無視していられず話してあげる。可哀想だから(笑)
。
『ああ誰かと思えば猫かぶり会長サンじゃあないですか。あーびっくりしたー。いるなら言って下さいよー。』
と明らか棒読みで言った。しかも息継ぎなしで!すごいなあたし!!
「猫かぶり?なんのこと?」
ニコニコ笑顔の裏は
(調子乗ってんじゃねーぞボケが。)
『んー?そのまんまの意味ですー。』
あたしもニコッと笑いかける。
(うるさいわこの二重人格ハゲ。)
ピクピクと眉が動いている。でも笑顔は絶えない。
「ははは。面白いね岡崎さん。でも猫被りって何の事かな?岡崎さん頭大丈夫?」
『いいえー会長サン程では』
「あははは」
『うふふふ』
「あははは」
『うふふふ』
「黒いね二人とも。」
「ええ。私も思っていたところよ。」
涼と赤ずきんが二人で何か喋っている。
「それにしても…」
「「怖いわ。」」
息があって 笑っていた。