秘密少女の非日常。Ⅱ
真冬の学校へ向かって歩いていると、この二人に誰もが振り向いては顔を赤くする。
「何でしょうねこの視線。少々苛立ちを覚えます。」
「うん」
二人はイヤな顔をしているのだが周りの人達は更に顔を赤くする。
「キャー!憂いを含んだ顔も素敵ー!!」
「私はあのカワイイ男の子の方が好み~。」
「分かるー!!」
「…真冬が外に出てはいけないと言うことが今、分かりました。」
「こういう事だったんだねぇー。」
と本当の理由を知らない二人は勝手に解釈していた―――。
――――――――…
「ここから真冬の気配がしますね。」
そう言って止まったのは学校の門
「あっ!ホントだあ!!真冬の匂いがするー!!」
クンクンと鼻を鳴らしてラルが言った。
「ここが…学校という物なのですか。ただの石の建物じゃないですか。」
(何を想像してたんだろー?)
「まあ良いです。行きましょうラル。」
「イエッサー」
ビシッと敬礼をした
そして二人は学校へ入って行った。
この時の真冬はまだ知るよしもない。二人のこの行動に――――