秘密少女の非日常。Ⅱ
『ごちそーさま。』
ぱんっと両手を合わせた。
「食べるの早いわね。」
涼がこう言うのは、あたしが十分もかからずに完食したからだ。
『だって、この男が!!』
ビシッと指を目の前にいるヤツに指した。
『この男っあたしが食べてるとこをずーっと見てくんの!!』
見られるの慣れてないから緊張のあまりバクバク食べ終わったわ!!
…とは言わない。いや、言えないんだ。この変態には、ずっと見られてて緊張しちゃったあ……なんて、口が裂けても言えない!!
そんなこと言うくらいなら公衆の面前で派手にずっこけてパンチー丸見えの方がまだ良い!!
……言い過ぎかな?や、でもそんくらい屈辱的な事なんだよ!!あたしには!!
「なんの事かな?…人を指で指しちゃいけないよ?」
うわー出たー!得意の営業スマイル!超ムリー吐きそー。
あ ほんとに出そう。こいつを見ると余計に。もうコイツに向かって出そうかな…いやいや あたしも乙女なんだし羞恥心が…。