秘密少女の非日常。Ⅱ
…どうしようか、いらないと断ろうか。
いや、そしたらこの子らが残念そうに耳を垂らしている顔をすんのが目に見えている。
見てよこの子達の目、喜んでと言わんばかりの目をしている。
まるで犬が飼い主の言われた事を忠実に聞き、それを実行した後のあの表情。
どうしたもんか……。
『………』
無言でいると円が話し始めた。
「実はですね、真冬が家を出て行った時に思いつきましてね。それで、私が弁当を作り、あなたの処へ持っていこうと思った訳です。そしたら…」
チラッとラルの方を見た。
「まふゆ~聞いてよー。円ったら自分一人だけで行こうとしたんだよー?抜け駆けだよ、抜け駆けー。」
頬を膨らまして拗ねた様に言ってきた。が、
いや抜け駆けって…
そもそも何であたしが愚痴を聞かにゃならんのだ。
『いやいやいや、それ以前に来んなって言ったよね?』
あたし、ちゃんと言ったよね?、と聞くと予想外な言葉が返ってきた。