秘密少女の非日常。Ⅱ
「違いますよ。大人しくしとけ、と言われたんで大人しく学校にお弁当片手に来たんですよ。」
はあ?言ったっけそんなこと。
と思って朝のことを思い出した。
―――『いい?あたしがいない間ラルと大人しくしといてよ?』
ああ。
言ったな。確かに言ってる。
色々突っ込みたいところがあるがその前に、
「真冬?家を出て行った後とか、弁当って…?」
ギクッ
忘れてた…そういえば涼達がいたんだ。
『そ、それは~、何と言うか~…』
ど、同棲?いや、それは違う気がするし、かといって正直に言うか?無論、答えはNOだ。
……ヤバい。いい感じの設定が思いつかない。
「……もしかして」
ビクゥ!!
今度はあり得ない程肩が揺れた。
涼は円達をキラキラした目でとんでもない事をほざきやがった。
「真冬の旦那!?」
『ブハアッ!!??』
思わず息が勢い良く飛び出た。
ななな、何で!?まさかのそっち!?そっちなんだ!!??
「そうよね!?そうでしょ!!」
と言って円に詰め寄っていく。
質問から確信に変わってますよ、涼さん。
「バレちゃいましたか。」
困った顔で弱りましたね、みたいなことを言ってやがる。
「やっぱりねーっ!!あ、だから真冬は男子に興味がないのか~。」
にやけた顔でチラチラこっちを見るな。ていうか、あんたはどんだけそっち方面に持っていきたいのさ。
「はい。そうなんです。真冬は私に夢中なようで。」
どこから来んだよその自信。あたしゃあんたにハマったことなんてないわ、こん畜生。
「朝はおはようのキッスがないと目覚めてくれないんですよ。甘えん坊さんですよね~。」
黙れ。とにかくお前は黙っとれ。
って
『ちっっがーう!!』
ダンッ、と手をテーブルに叩きつける。正直、痛い。