秘密少女の非日常。Ⅱ
『じ、時間もないんだし弁当食べなきゃー!ほっほら、円にラル!!あたし1人じゃ食べきんないから手伝う!!』
そう二人にふる。
「良いですよ。もともとそのつもりで沢山作って来たんですから。」
計画的犯行かい。なんちゅう奴だこのヤロウ。最初っから全部狙ってたんかい。
でも…それよりも大事な事が…。
『あたし…お腹いっぱいだったんだった…。』
ぼそり、思い出した様に呟いた。
そんな声が届くはずもなく、円は重箱を広げた。それからにっこりと嬉しそうに笑った。
「さあ、真冬。食べましょう。」
ゔっまさにキラースマイル。その笑顔を見た奴は鼻血モンだろうな…。実際にヤバそうな人が何人も。てか、あたし場違いじゃね?何この美形共。眩しい光であたしが揉み消されそうなんですけど。
ああ、目の前が霞んできたぜ。
「真冬っ真冬!!早く早く!」
なんて、心に小さなダメージを受けているとラルが話かけてきた。
急かすラルにあたしは苦笑しうん、と頷くことしか出来なかった。そして涼からはあんた勇者ね、と言われ、赤ずきんは何が何だか分からない様な顔をしているし、会長さんは眉間に皺を寄せて疑いの眼差しを向けてくる。見るな、お前は見るな。汚れる。あたしが。