髪の短い天使
「続きまして、赤団のパフォーマンスです。」
さあ、始まった。
まずは、無言無表情、なるべく下を向いて、麗ちゃんと私をセンターにして、斜め後ろに皆並んで、Vをつくる。
この時の注意は、絶対に笑わないこと。
麗ちゃんは、これの練習の時少なからず一回は、笑ってNGを出した。
そして、ダンスが始まる。
始めは、私と麗ちゃんがセンターで踊る。
真緒と約束してたのに、歓声が聞こえる。女子だけじゃなくて、男子の声も聞こえる。
あ……私のファンに言うの忘れてた。
ま、いっか。
ダンスは、思いの外うまくいっている。
麗ちゃんも、練習の時より動きがいい。さっき、突然変えたセンターにいる数も、綺麗にこなしている。
よかった。うまくいきそうだ……
私はふと、観客の方を見る。
沢山の人が見ている。ウィンクなんていうのも、ふざけてやってみた。