髪の短い天使
Side 麗
体育祭も終わった。
誰もいなくなった校舎に、私と美幸だけが、残っていた。
もちろん、場所は屋上。
「美幸、終わったね。」
「うん。」
美幸も疲れているようだ。
実は、体育祭が終わったあと、私と美幸はそれぞれの、ファンに追い掛けられて、疲れに追い打ちをかけられてしまった。
やっと、まいて屋上に来たのである。
「なんかさ、行事も参加していいかな?って思ったよ。」
「そうだね。でも、私が一番驚いたのは、トムさんのことだよ。」
今日は、トムさんと遥さんが来てくれた。
二人を見て、美幸は驚いたらしい。
「だって、トムさん十代に見えるし、黒ぶちメガネの好青年だし。遥さん、ちょー美人。できる女って感じ。」
二人の子供は、きっと顔だちいいんだろうな……