髪の短い天使
そんなことを、お互いに考えながら、ぼーっともう沈みかけている、太陽を見つめていた。
「美幸。」
誰かの声が、階段から聞こえた。
二人が振り向くと、そこにはカッコいい、イケメンの男の人がいた。
誰だろう、カッコいい。
美幸の知り合いかな?
あ、まさか神谷くんとか。
「今日は、ずいぶん楽しんでたね。」
美幸は、何も言わない。
どうやら、神谷くんではないようだ。
誰だろう。美幸が、少し苦い顔をしている。
「兄さん。」
えっ?お兄さん?!
美幸に、お兄さんなんていたんだ。
「何しに来たんですか?」
美幸のしゃべり方が、どこか刺々しい。
仲良くないのかな……
「何って、美幸が体育祭の応援団長をやるときいたので、どんなものかと見に来たんですよ。」