髪の短い天使
「そうなんですか。勘違いしてごめんなさい。麗さん、美幸をよろしくお願いします。」
美幸が、私とお兄さんの前に入って、大声を出した。
「麗ちゃんは、本当に親友なんだから、変なことしないでよ?私は、もう嫌だからね!」
いきなり、敬語じゃなくなった美幸は、どこか動揺していた。
どうして、こんなに動揺してるんだろ……
「美幸。僕は、君のいう友達というのが、毎回名前だけだったから、気付かせてあげただけですよ?」
過去に、二人の間に何かがあった。
名前だけの友達
美幸は、小学校の時にいじめられたことがあって、でもそれで彼氏ができた。
じゃあ、前の中学校ではどうだったんだろう……
私は、頭の中がハテナマークでいっぱいだった。
「麗ちゃんは違います。試すなら、どうぞ試してください。」
美幸と目が合った。
強い、意志と期待の目。私で一体何を試すと言うのだろうか……
「まあ、勝手にやらせてもらいますよ。そうだ美幸。そろそろ、家に帰ってきた方がいいですよ?母も父も困ってます。それに、一人暮らしは辛いでしょう。」