髪の短い天使


えっ






美幸は一人暮らしだったの?







そんなこと、一言も言ってくれなかった。まあ、聞かなかったから、無理もないか。






一応、一人暮らしって中学生がやっていいことじゃないし。






それにしても、美幸とお兄さんの関係ってなんで、こんなにいやなカンジなんだろう。






「心配されなくても、一人でやっていけますから。それよりいいんですか?予定詰まってるんでしょ?」






美幸が言うと、お兄さんは腕時計を見ながら言った。





「そうですね……。そろそろ行かないと、まずいですね。では、美幸。また近いうちに来ますよ。」







そう言い残し、お兄さんは足速に階段を降りていった。






いや、最後らへんは、私参加して無かったのに、会話が成り立ってるってことは、二人とも私の存在忘れてるな……






嵐のようなお兄さんが、いなくなった後の屋上は、不思議なくらい静かだった。





美幸は、しばらく何も言わなかった。






私は、美幸が何か言うまで黙ってようと思ったが、色々聞きたいことがありすぎて、黙ってることなんて、出来なかった。






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