髪の短い天使
「あのさ……美幸。」
美幸は、答えなかったけど、私は続けた。
「美幸さ、お兄さんいたんだね。しかも、一人暮らしって……私、何にも聞いてなかったけど……?」
美幸は、何も言わない。しばらく、二人とも黙って日が落ちかけの空を、眺めていた。
沈黙を破ったのは、美幸だった……
「うちは、自営業をしているんだ。」
私と美幸は、向き合うような形になる。
いつ見ても、美幸は可愛い美人顔だ。
「父親の営業がうまくいってて、うちは裕福な家庭なんだよ。しかも、母親は元々モデルをやっていたから、私もモデルの道に走ったんだ。」
お母さんが、モデル……だから、美幸は可愛いんだな。
てゆうことは、美幸もお兄さんも、お嬢様、お坊ちゃんってわけだ……
だから、お互いに敬語を使っていた……
「私と兄さんは……本当の兄妹じゃ……ないのよ。」
へぇー
えっ?!
美幸とお兄さんは、本当の兄妹じゃない?!
さっき見てて、似てると思った私って……?