髪の短い天使
美幸が話を続ける。
「頼とは、仲良かったし、本当の親友だと思ったんだ。」
思った?本当の親友では、なかった?
どうして、美幸はそんなこというんだろう。
「私に、神谷っていう彼氏がいるの、知ってるよね?」
私は、黙って頷く。
「神谷は、そこまで目立ちはしないんだけど、顔がカッコいいから、密かにモテてたんだ。だから、少々心配だったんだけどね……」
そうか、美幸は前の学校では、神谷くんと同じ学校だったんだ。
「私と神谷が付き合ってるのは、学校公認だったんだけど、やっぱり神谷が好きな人はたくさんいた。」
学校公認って、それはすごいな……
まあ、美幸も可愛いし、神谷くんもカッコいいなら、二人はお似合いなんだね。
「頼が、私と仲良くしてたのは、神谷が好きだからなんだって。」
私は、突然言った一言に、さぞかし驚いた。
親友だと思っていた子は、自分の彼氏と近づきたくて、自分と仲良くしてた。
そういうことになる。