髪の短い天使
Side 麗
朝から、波乱だった。
昨日の美幸の態度と、美幸のお兄さん登場と、色々ありすぎたせいで、あまり寝られなかったからか、寝坊をした。
美幸にしつこく言われた、前髪あげるもしくは、切れ命令を従うつもりで、美容院に予約を入れた。
10時。
お店が始まってすぐの時間帯に、予約を入れたので、急ぎですか?と笑って聞かれた。
はい。学校に行く用事があって……
そう自分でいっておきながら、ただいまの時間9時40分。
起きて、慌ただしく着替えて、階段を降りると、トムさんと遥さんが仲良く、朝のテレビを見て笑っていた。
「あれ、麗。今日は、午後からじゃなかったっけ?」
私は、テーブルの上にある、パンを掴んで、手短に説明した。
「実は、髪を切りにいこうと思ってて、10時に予約したのに、寝坊しちゃって。」
私は急いで説明して、パンを口に入れて、リビングを出ようとしたところ、着ていたパーカーのフードを引っ張られた。
首が締まる。
「うぎゃっ」