髪の短い天使
「幸太郎さんが、何かやったと決めつけるのは、よくありませんね。それは謝ります。でも、頼って子と美幸との間に起きたことを、教えてはくれませんか?」
しばらく考え込む幸太郎さん。
やがて、ガードレールから降りて私の目の前に立つ。
美幸とはいとこ同士とはいえ、それを言われなかったら、本当に綺麗に血が繋がった本当の兄弟だ。
美幸が美女だったら、幸太郎さんは美男だ。
二人の容姿は、モデル以上かもしれない。
こんな感じに、余計なことを考えてる私をお構い無しに、幸太郎さんは話を続ける。
「神谷くんって知ってる?」
神谷くんは、美幸の彼氏だと聞いている。
「はい。」
「美幸の彼氏だと聞いているかい?」
神谷くんは、美幸の彼氏だ。本人もそう言っていた。
「はい。」
「美幸がこっちの学校に転校してきた理由は、頼さんと神谷くんが付き合うかもと、噂が広がったからなんだ。」