髪の短い天使
side 美幸
「もう!なんなのよ、麗ちゃんは!」
私は、イライラしながら、コートを床に投げつけた。
季節は、夏があっという間に過ぎ、秋も終わりを迎えようとしていた。
体育祭は、とても楽しかった遠い昔の思い出のようだ。
「麗さんがどうしたの?」
そう、私は、あの後兄さんと話し合って、須藤家本家に戻ることになり、今は家族で住んでいる。
「兄さんには、話さなーい。だって、兄さんは麗ちゃんの味方するもん。」
あのことがあって以来、麗ちゃんと兄さんは定期的にあっている。
本人は気がついていないが、麗ちゃんは兄さんに恋をしていると思う。
「な、そんなことないよ。内容によっちゃ麗さんが悪いことだって……」
「はいはい。」
そして、兄さんも麗ちゃんのこと何とも思っていないわけではないらしい。
まあ、二人なら別にお似合いだしいいんじゃないかな。
私は、あの後頼と会った。