髪の短い天使
「麗ちゃん、おっはよー!」
私は、元気よく麗ちゃんに挨拶をした。
本家から通う場合、電車を使って登校することになる。
だから、一番初めに麗ちゃんと朝会うのは教室だ。
今日は、麗ちゃんは先に来ていて、教室の外には、ファンの子がキャーキャー言いながら、麗ちゃんを見ていた。
「あ……おはよう。」
麗ちゃんは、下を向いた。
何を悩んでるんだろう。
「麗ちゃん。悩みがあるなら、聞いてあげるよ。」
私が言うと、麗ちゃんははぁーとため息をついて私を見た。
「美幸さ、進路希望何にしたの?」
進路希望……今は、十一月。そろそろ、卒業後の進路を考える時期だ。
「何って普通に書いたけど……」
普通の高校を書いた。私立と公立、一つずつ……
「あのさ、美幸!!」
麗ちゃんが立ち上がる。
周りの人が立ち上がった麗ちゃんを見ている。