髪の短い天使



そう、麗ちゃんと初めて会ったとき、どこか人と一枚壁をおいている感じだった。








一人がいい症候群。








麗ちゃんはそう言っていた。








「美幸さ、最近、あまりナルシスト発言してないよね?」








ナルシスト。








私は、自分が大好きだ。そう俗にいうナルシスト。








自分を褒めることで、色々なことを発散してきた。








私自身、最近確かにナルシスト発言出てないことを、不思議に思っていた。








「美幸さ、変わってきたんだよ。いや、私に出会ったからじゃなくて、自分で色々なことを解決したでしょ?」








雅行とまた遊びに行けるようになった、頼と話せるようになった、それに家族とまた暮らせるようになった。








「色々解決したけど、私は、自分のことはまだ大好きだよ?麗ちゃん。」








「そうだね。だとしても、口に出さなくなった。みんなにも好かれるようになるよ?」








麗ちゃんは……麗ちゃんは、何が言いたいんだ?








「だからさ、美幸。もう、自分が行きたい道を諦めないで。モデルから、女優に行かないかって言われてるんでしょ?」








私は、体育祭が終わって、またモデル活動を本格的に再開した。








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