髪の短い天使
はじめの方は、全然仕事をもらえなかったけど、自分なりに努力して、色々なオーディションを受けて、半年でまた小学校の時のようになった。
小学校の時にやめて以来、何度かモデルをやってはいたけど、やっぱり本格的にモデルをやるのは楽しかった。
先日、映画監督が撮影を見に来ていて、女優に転向しないかと、言われた。
女優になるのは、昔から興味がなかったわけじゃない。
正直言って、嬉しかった。
でも、その一方で麗ちゃんと一緒に普通の高校生をやりたかった。
普通に、学校に行って、バイトして……
だから、私は、進路希望にはみんなと同じように書いた。
「でも、みんなと……麗ちゃんと高校に通いたいんだ。だから……」
「美幸!」
麗ちゃんが私の言葉を遮った。
「美幸!自分の気持ちに嘘つかないで。そんな夢をあきらめて、一緒に高校生になっても何にも私は、嬉しくない!」
麗ちゃんを見た。怒っていた。