髪の短い天使
でも、私だって何も考えないで、進路希望を書いたわけじゃない。
「何よ!麗ちゃんは、何もわかってない。私は、普通の高校生になりたいの!」
考える前に、体が勝手に動いていた。
走っていた。
階段を下りていた。
「美幸!」
後ろで、麗ちゃんが私を呼び止めていたが、私は、止まらなかった。
腹が立っていた。無性にイライラした。
誰にも、誰にも、私のことをわかってくれてないみたいで……
「それから、私と麗ちゃんはケンカしたまま……なんだよね。」
全部話すとなんだかスッキリした。
「うーん。それは、麗さんが全部悪いとは言えないね。」
「やっぱり、兄さんは麗ちゃんの味方をする。」
私が頬を膨らませると、兄さんは慌てた。
「いやいや、美幸が悪いとは言ってないだろ?とにかく、しっかり麗さんと話し合いな。」
兄さんはそういって、部屋を出ていった。
話し合うって言ったってな……
話しかけてもきっと聞いてくれないし。どーしようかな……