髪の短い天使
side 麗
「麗さん。」
「すいません、遅くなりました。」
「いやいや、まだ約束の時間の五分も前だから。さ、行こうか。」
私は、今デ、デートと言うものをしている。
目の前には、須藤幸太郎さん。親友、美幸のお兄さんだ。
私たちは、初めて会ったとき以来、ちょくちょく、デ、デートをしている。
「麗さんさ、ちょっと相談があるんだよね。」
私たちのデ、デートは、カフェでお茶して話すことが大体だ。
「幸太郎さん、相談ってなんですか?」
店員さんに、紅茶を注文して、いつもの席に座る。
「いや、美幸のことなんだけど……」
私たちのデートの中での話は、ほとんどが美幸の話だ。
ちょっと、変だけどやっぱり、私たち二人の共通していることは、美幸のことだからしょうがない。
でも、心の中では、美幸のこと以外で幸太郎さんと話をしたいのは確かだ。
「麗さん、昨日進路希望の紙配られたよね?」