髪の短い天使
私は、意を決した。
もし、麗ちゃんが屋上に来たら、言おうちゃんと、私の気持ちを……
もし、来なかったら放課後に話そう。
『美幸さ、最近、あまりナルシスト発言してないよね?』
麗ちゃんの言葉を思い出した。
私って、なんのためにナルシストになったんだっけ……
前へ進むため。
あれっ?前へ進むために、ナルシストになったんだっけ?
……じゃあ、私は、今前に進もうとしているんだろうか。
『美幸さ、変わってきたんだよ。いや、私に出会ったからじゃなくて、自分で色々なことを解決したでしょ?』
私は、変わったんだろうか。ナルシストになる理由にしろ、兄さんにしろ、前へ進むためのステップだって、ずっと思ってた。
じゃあ、私が今やってることって?
前へ進むためのこと?
まず、私の前に進むって何?夢を叶えること?
……私は、今前へ向かってる?
いや、進んでる、進んでる。