髪の短い天使
だって、実際にモデルだって再開したんだし。
十分進んでるじゃないか。
それに、普通の高校生も、一つの夢じゃないか。
大丈夫、私は、前へ進めてる……
『だからさ、美幸。もう、自分が行きたい道を諦めないで。』
諦めたんじゃない。ただ、二つを選ぶことなんて、出来ないじゃん?
だから、私は、高校生を選んだよ。
そういえば、私のことばっかでわかんなかったけど、麗ちゃんの進路ってなんなんだろ。
普通に高校生になることだよね、きっと。
それで、大学生になって、前に先生になりたいとかいってたよな。
だから、私も一緒に大学生になって……
………私は、何がしたいんだよっ!
よく考えたらない。
大学生になったって、私は、何もないじゃんかっ!
そう思った瞬間、体が勝手に動いていた。
走る走る。
階段を勢いよく下りていった。
麗ちゃんに会いたかった。