髪の短い天使

麗ちゃん、私さ……








校舎に入ると、真緒を発見した。








「ちょっと、真緒！！」








私に気が付かず、教室に入りそうな真緒を、大声で呼んだ。








周りの人も、真緒も驚いて私を見る。








そんなこと、私は、気にしない。








「真緒！れ、麗ちゃんは……どこ？！」








肩を上下に揺らせながら、私は、真緒の肩を掴みながら聞く。








「れ、レイさまなら、確か図書室にいらした気がしますけど……あの、美幸さん何かあったんですか？」









私は、この質問に答えることはない。








質問されるまで、その場にはいなかった。








図書室、図書室！








廊下は走るな！と言うポスターが、右の壁に見えたが、そんなこと、関係ない。







私は、図書室に急いでいた。








バンッと思いっきり、図書室のドアを開けた。








図書室と言うだけに、とても静かだった。だから、私のドアを開ける音は、かなり大きな音だったようで、みんながみんな私を見ている。