髪の短い天使
ああもう!こっち見るなっ
麗ちゃんは、どこにいるんだ?
だだっ広い図書室に、麗ちゃんの姿は見当たらない。
なんで、いないんだ……
麗ちゃん、私ね本当はね……
「あれっ?美幸さんじゃないですか?」
誰かに呼ばれ、後ろを振り返る。
知らない二年生の女子生徒だった。誰だっけ?
「美幸さん……私のこと知らないですね?私は、レイさまのファンクラブ副会長の、新梨(しんなし)っていいます。って、前にも挨拶したんですけど……」
新梨……新梨……ああ!
七月頃に、真緒と一緒にいた子か!
新梨って、珍しい名前だったから、覚えてようと思ってたのにな……
んなことよりっ!
「新梨ちゃん!麗ちゃん見なかった?」
そうだ、この子もファンクラブなら、麗ちゃんのいどころくらいわかるはずだ。
「ああ、レイさまならついさっきまで、私と一緒に図書室で話してました。」