髪の短い天使
「……美幸。」
麗ちゃんは、肩を上下に揺らしている私に、驚いていた。
立ち止まると、かなり疲れたなって思うほど、私は、はぁーはぁーと肩で息をしていた。
「れ、麗ちゃんっ……あ……あのね!」
「美幸ごめん!」
麗ちゃんがいきなり、頭を下げる。
私は、驚きで目をパチパチしていた。でも、麗ちゃんは続ける。
「私さ、美幸が私のせいで、夢を諦めてるんじゃないかって思ってて……でも!美幸は、ちゃんと考えて決めたことなんだなってわかったんだ。ごめんね、美幸。」
しばらく、私は、ポカーンとしていた。
麗ちゃんがまだ頭を上げない。
まさかの、展開だ。どうしよう……
いや。言うんだろ?しっかり、自分の気持ちを!
「あのね!麗ちゃん……」
麗ちゃんが頭を上げる。
「私ね、高校行くのやめようと思うの。」
二人の間に沈黙が起こる。麗ちゃんは、目をパチパチさせていて、さっきの私みたいだ。