髪の短い天使
「私ね、小さい頃から、テレビに出てる女優さん見て、私もなりたいなって思ってたんだ。だから、やっぱり私ね……私、もう少し頑張ってみる。」
麗ちゃんと、別れるのが怖かった。
女優になりたいけど、麗ちゃんと一緒にいたい。
二つどちらかを選ばなくちゃいけない。
私は、小さい頃からの夢を叶えたい。
「……えっ!?美幸?いいんだよ、別に自分のいきたい方にいって。」
「うん。だから、女優の方にした。麗ちゃんとは、別れちゃうけど、会えないわけじゃないでしょ?」
「本当に、それでいいの?」
麗ちゃんが聞いてくる。もしかしたら、麗ちゃんは私と一緒にいたいのかもしれない。
でも、私は……
「うん。頑張ってみるよ、麗ちゃん。」
ニッコリと笑ってみた。
麗ちゃんは、五秒遅れて笑い返してくれた。
私たちは、それぞれの道を進んでいく。
「麗ちゃん、本当は私と一緒にいたいんじゃないの〜?」
「も〜、うるさ〜い。」
お互いの夢を叶えるために。