髪の短い天使
side 麗
149……149……149
本当に寒い。白い息が出る。
二月になると、全国の中学三年生が本格的に、緊張する。
入試の日は、とっても緊張して、手が冷たかった。
「149……149……」
だけど、それはみんなおんなじだった。
みんな、鼻を真っ赤にしながら会場に入っていたと思う。
「149……149……あったぁ!!」
思わず、飛びはねそうになるのをおさえた。
周りを見渡す、みんな一生懸命に見ている。この中には、もちろん落ちてしまった子もいるわけだ。
頑張って!
今さら、頑張って!って言うのもなんだけど、誰に言ったかわからない頑張ってを、心の中で言って私は、その場を離れた。
入学手続きを済ませて、校門を出た。
この学校は、駅から約五分のとても交通の便がいい。
私は、歩いて駅に向かった。
早く、美幸に伝えないと。
合格発表を見たあとは、一回報告のため学校に戻る。