髪の短い天使
雅行とも、あまり連絡をとっていない。
なんか、疲れたな……
私は、朝の肌寒い空気が嫌いで、指定以外の黒いタイツを履いていた。
だって、肌なんて見せたら、寒いじゃん。
なんか言われたら、前の学校ではありだったと、言い訳をして、もし何も言われなかったら、そのままこの季節は、タイツを履くとしよう。
通学路長い。
文句を言いながら、長い長い坂道を上っていった。
「あれ?なんか、本当に長いんだけど、ていうか中学生いない……」
今は、普通の通学時間。中学生の一人や二人いてもおかしくないのに、いない。
ちょっと待って。ここ、昨日来たとき通ってない……
待って、ここどこ?
辺りを見回す。住宅地……
家しかない。
学校あんのかな……
やっと見つけたと思った制服をきた人に声をかけた。
「すいません。中学生の方ですか?」
「何?私、高校生だけど……」
私が、自分が道を間違えて迷っていると気がついたのは、それから一時間後のことだった。