髪の短い天使
ガチャガチャ
私は目を覚ました。
まだ半分寝ぼけていて、ここがどこだか一瞬忘れていて、大きな伸びをしたら、マットからおもいっきり落っこちた。
「痛っいー」
私が叫び声を上げると、扉の向こうから、声が聞こえた。
「おい、大丈夫か?今、開けるからな。」
ガチャン
鍵が開いた。扉が開かれた。
私は、マットから落ちて非常に、間抜けな格好になっていた。
入ってきたのは、同じクラスの神谷 雅行(かみや まさゆき)だった。
「おい、大丈夫か?」
私は、腰をおもいっきり打ったので、さすりながら神谷の方を向いた。
「いやー、助かった。ありがとう、神谷。」
私は今日一番の笑顔を見せた。
が、神谷は顔をしかめた。
「おい、助けてもらった相手に、作り笑いはないだろう。」
作り笑い……
私は自分の顔を触った。
「お前は今、本当のお前か?」
本当の私。