髪の短い天使
すべてを話し終わったとき、美幸ちゃんはなぜか、すっきりした顔になっていた。
それにしても、美幸ちゃんがナルシストになった理由が、なんとも不思議で仕方がない。
あのまま、愛結美って子が美幸ちゃんに何も言わなければ、美幸ちゃんはナルシストには、なっていなかったのだろうか。
いや、あの神谷って人にあってからだろうか。
私がそういうふうに考えているのをよそに、美幸ちゃんは話を続ける。
「そして、私は小学五年生で、本格的なモデル業を辞めた。
もちろん、今でもモデルさんが足りないときとか、どうしてもな時には、要請が来ている。
私がお願いして、そのような形にしてもらった。」
モデル……
美幸ちゃんと出会って、可愛いなと思ったのは、顔もそうだけど、立ち振舞いなどが、みんなと違っていたからかもしれない。
美幸ちゃんの話しの中で、一つ気になる点があった。
「神谷って人は、今どうしてんの?」
美幸ちゃんは、一瞬ためらったが頬を赤らめながら言った。
「付き合ってるよ。ちょっと、家が遠くなっちゃったけど……」
私はそれを聞いて。
人生とは、運命の相手がいつあらわれるか、わからない物なんだな、と思った。