髪の短い天使
「そういえば、美幸ちゃんが私に聞きたいことって何?」
美幸ちゃんは、まだ少々顔が赤かったが、必死に平静さを装っていた。
「え?あ、ああ。実はさ、ずっと気になってたんだけど、麗ちゃんはなんで、いつも一人なわけ?」
一人?
「美幸ちゃんと、いるじゃん?」
「違う、違う。麗ちゃんが、私以外に誰かといるところ、見たことないからさ……」
ああ、そのことか……
「ありえないよ。」
「はい?」
「私には、両親がいない。小学生の時に、事故で死んだ。
だから、私は私より十歳年上のおじさんに引き取られた。」
そう、おじさんはとても優しい人だ。いつでも、笑っている。私はそういうおじさんが大好きだ。