髪の短い天使
「先生、私ね人と接触すると吐き気がするの。どうしてだと思う?」
明確な答えが、帰ってこなくたっていい。ただ、私が安心出来るような答えを待っていた。
「そうね〜。雨宮さんは、今親友いる?」
親友。
「いた。でも、親友なんて上辺だけのもの。実際、すぐに私のこと裏切ったし。」
私がボソボソというと、大塚先生は真っ直ぐ私を見つめた。
「それは、本当の親友ではないわね。きっとね、私はあなたに、本当の親友が出来たとき、その吐き気は無くなると思うの。」
本当の親友……
「別に親友じゃなくたっていい。あなたに、大切な人が出来たとき。」
大切な人……
私は、黙ってベットに向かった。
カーテンを閉めながら、私は先生に言った。
「早く来てほしいな、私の大切な人。」
お互いに笑いあう。
私は、眠りに落ちた。
私が眠る直前。大塚先生が何か呟いたが、聞こえずに意識が消えた。
「あなたはね、雨宮さん。一人がいい症候群なのね……」
早くあらわれないかな、私の大切な人。