髪の短い天使
美幸は、女子から「みっちゃん」と言われている。
ほんと、顔が広いよ。
「ところで、雨宮。お前、今年も体育祭出ないのか?」
上山先生は、三年間私の担任だ。
みんなが私に注目している。
なぜ、雨宮なんかを気遣うんだ?という顔を、みんなしている。
私は、黙ったままだ。
「お……今年は、もしかしたら出てくれるんだな?そしたら、俺たちのクラスは優勝だな。」
げっ
余計なことを……
美幸もキョトンとした顔をしている。
誰かが言う。
「先生ー、なんで雨宮が出れば優勝なんですか?」
「あー、それはな雨宮が……」
「先生!」
バンッ
私は机を叩いた。
隣の奴がビックリしている。
そんなこと、私は気にしないで、教室を出た。