髪の短い天使
私が、家に帰るとおじさん……トムさんが朝ご飯の支度をしてくれていた。
「ただいま。」
トムさんは、私の方をむき、驚いた顔をした。
「麗!汗凄いな……今日は、運動会なんだから、そこまでしなくてもいいじゃないか?」
「いつものことだし、大丈夫。それにトムさん、運動会じゃなくて、体育祭だよ。シャワー入るね。」
私は、お風呂場に向かった。
トムさんが、キッチンから大声を出す。
「麗ー。遥さんをついでに、起こしてくれないか?」
トムさんは、遥さんという中学校の先生と結婚した。
トムさんは、小説家で家にいることが多いので、家事はほとんどやっている。
でも、遥さんもいい人で、学校が休みの日は、家事を代わったりしている。
私は、その新婚さんの生活に割り込んでいるわけで……正直言って、いにくいわけなんだ。
でも、遥さんもトムさんも優しいから、いつまでもいてもいいっていうもんだから、頭が上がらないよ。