髪の短い天使
「麗、体育祭どうだった?」
トムさんが、コーヒーを飲みながら私に聞いた。
「うん。楽しかったよ。」
私は、パンをかじりながら、昨日のことを話した。
美幸の人気っぷりと、私の意外な人気もちゃっかり話した。
そして、今日は応援団のパフォーマンスがあることも言った。
「そっか。麗はお父さんに似て、イケメンだからな。俺的には、お母さんの方に似てほしかったんだけど……」
私は、ただ頷いた。確かに私の記憶の中のお父さんは、カッコいいというイメージだ。
「美幸ちゃん、だっけ?美幸ちゃんは、お母さんが美人さんなのかな?」
その言葉に、遥さんが少し反応したのを、私は見逃さなかった。
トムさんも、平気で美人だとかいうから……
「わかんない。聞いたことないし、見たこともないから……でも、美幸は雑誌のモデルやってるんだよ。」
たまにね。
遥さんがふゎーっと、欠伸をしたあと、トムさんに言った。