髪の短い天使
すると、他の女子生徒をおさえて、麗ちゃんの右腕を、制覇していた森原真緒がピシッとして、女子生徒に指示をだした。
「皆さん、一旦レイさまを離しましょう。」
真緒の問い掛けに、皆従うもののどこか納得いっていない顔をした。
「真緒、なんで離さなきゃいけないのよ……」
その問い掛けに、真緒は小さな声で、言った。
「美幸さんは、このファンクラブの理事長よ。美幸さんがいなかったら、このファンクラブは正式じゃなかったんだから……」
ちゃんと、聞こえてるぞ。
ありがとう、真緒。
麗ちゃんが、そそくさと私に駆け寄る。
「美幸ー。助かったよ。学年リレーで疲れてるのに、離してくれないんだもん。」
私は、麗ちゃんの頭をよしよしと撫でた。
それを見ていたファンクラブの子達は、言った。
「なんか、悔しいけどあの二人ってとっても似合うわよね、ああいうの。美幸さん?だっけ。すごい美人だし、レイさまはイケメンだし……」