髪の短い天使


美人か……











美人なんて、かわいいなんていくら言われたって、ほめられたって、あの人に言ってもらわないと、意味がない……










私は、そのためにモデルとかやってきたのに。













「美幸?」










麗ちゃんが、心配そうに私を見つめる。











私は、笑って言った。










「ん?何、麗ちゃん。そうだ、麗ちゃん午後のパフォーマンスなんだけど、やっぱりセンターに立つ回数、麗ちゃんが多めの方がいいね。」












麗ちゃんは、勘弁してよ。という顔をしている。











麗ちゃんって、なんで自分に自信を持てないんだろ。









私は、小さい頃からモデルをやっているせいか、自分に自信を持ちすぎている。











ゆえに、皆からナルシストと呼ばれている。












まあ、自覚があるんだから、私もたちが悪いんだよな……











麗ちゃんがいきなり、私の家族を知りたいなんて言うから、ちょっと動揺しているのは、自分でもわかってる。











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