rain×rain【完】


昔が思い出される。


お父さんは死ぬ時に言ったんだ。


「ほら、笑うんだ。泣いたら負けだ…。
だから笑ってくれ…」



私はそのお父さんの言うことを守れずに、ずっと泣きっぱなしだった。


お父さんは少し悲しそうに、
名残惜しいような顔つきで眠って逝った。


そう…私が約束を守れなかったから死んでしまったんだ。


あの時に私が笑っていれば…笑顔だったら

死ななかったかもしれない。


あんな死に方をしなかったのかもしれない

その時から決めたんだ。

笑おう…

もう泣かない


約束を守ろうと















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