rain×rain【完】
どうやら目の前にいるおばあさんは冴江と言う名前らしい。
「ねぇお冴江さん。この子、誰?」
美しい女性は私を指差してお冴江さんに尋ねた。
「…見垣桜です。」
お冴江さんではなく私が答えた。
「ふーん、あっそ。」
「こらこら陽向、そんなみっともない態度をとるんじゃないよ。」
そしてこの美しい女性は陽向と言うようだ。
「ところであんた…なんであんなところで倒れていたんだい?」
それはこっちが聞きたい。
「わかりません。」
私がそう答えると、冴江さんは小さく困ったねぇ…と呟き大きくため息をついた。
そして沈黙が続いた。