rain×rain【完】



その日の夕方、私たちは再び副長室に呼び出された。



みんながそろった中に土方さんが疲れきった顔をしながらあとから入ってきた。



「古高が吐いた。」



みんなは黙って土方さんの話を聞いている中、永倉さんが口を開いた。



「…で古高は何をはいたんだ?」



土方さんは言いだしにくそうに、少しずつ話しだした。



「祇園祭の前の風の強い日を狙って京都御所に火を放ち…中川宮朝彦親王を幽閉して一橋慶喜・松平容保らを暗殺し、孝明天皇を長州へと誘拐する。」



そんな…


背中が汗でじっとりとしている。



「これが古高がはいたことの全部だ。」













< 173 / 264 >

この作品をシェア

pagetop