rain×rain【完】
「沖田さんって、いつから体調が悪かったの?」
私は肺結核には一般にしては詳しいほうだと思う。
お父さんが末期の肺結核だと判明した時、
あらゆる本や医学書で調べた。
「?…最近は体調悪そうじゃなかったけどな…。」
左之さんは「それがどうした?」と言うような顔をしながら答えてくれた。
「咳とかも?」
「あぁ。」
私はその言葉にホッと安心した。
肺結核の症状が喀血まで到達しているなら
前から肺結核特有の咳をしていたはず…
だけど沖田さんは咳などはしていない。
と言うことは…ただの体調不良だったんだ
なぜだか涙が出そうなほど嬉しかった。
すると部屋に優しい陽の光が差し込んできた。
もう夜明けだ。