rain×rain【完】
「何だ?」と言って私の方を見る土方さんはすごく輝いていた。
みんなと同じように祭を楽しんでいた。
『鬼』なんて言われてるけど、
ちゃんと人間らしいところがある。
私は無言で手をパッと放した。
土方さんも繋いでいたことにやっと気づいたらしく、同じように手を放した。
「こっ、これはだなっ…何で俺の手握ってたんだよ!?」
いやいや繋いできた…と言うか私の手を引いたのはあなたでしょーが。
顔を背けぶつぶつと言い続ける土方さん。
私はそれを見てクスクスと笑った。
楽しいって思った。