rain×rain【完】
そして長州の藩士達は皆連れて行かれてしまった。
「で…君さぁ…」
そう言って振り向いたのは昨日、
お冴江さんの店に来ていた『総司』と呼ばれる人だった。
総司?
浅葱色…
新撰組の沖田総司?
歴史には詳しくないけれど、
なんとなく名前だけなら聞いたことがある。
そして、沖田総司は
私の首にすっと刀を向けてきた。
私はじりじりと壁に追いやられていく。
「おい、総司やめろよ!」
そこに青年が私をかばうように立つ。
たしか昨日は平助と呼ばれいたから
藤堂平助かな?
この人も名前だけなら知っている。
「この子は被害者だろ!?」
「平助さぁ…この子格好見て何かおかしいと思わないワケ?」