rain×rain【完】
「京に住んでいるのではないのか?」
「あっ…いえ…」
とても曖昧な返事。
「あんみつ2つお待ちどうさま!!」
そう言って私の前にあんみつが一つ差し出された。
「一つ聞いてもよろしいか?」
桂さんが私に聞く。
「あなたは今の時代の揺れをどう思う?」
桂さんは静かに言いはなった。
時代の揺れ…
確かに今のこの時代は動乱期だ。
今まで全てを統率し、絶対的だった徳川幕府はもはや弱まり
300年ほど続いた泰平が崩れようとしている。
「どうでしょうね…」
私はただ一言つぶやく。
「ただ一つ言えるのは、私はこの時代を哀れだとは思わない。」
そう、この時代の人々を…
あいつらを……………。