rain×rain【完】
裏切りの疑い
「只今もどりました。」
私は障子を開け沖田さんの背中に向かって言った。
「おかえり。どこに言ってたの?」
「えっと…いろいろ…」
空気が…いつもと少し違う。
「曖昧だね。行った場所をちゃんと教えてよ…それとも僕には言えない秘密の所に行ってたの?」
言葉がまるで研いだ刀のように鋭い。
「いや…別にそんな訳じゃ…」
「君は長州の間者じゃないんだよね?」
沖田さんは私の方を向いて座り直した。
「はい。それは絶対にありえません。」
それだけは言える。
はっきりとコクンと頷いた。