交差する想い
泣いとったら、百合が苺の所へ来た。
百合は笑いながら苺と話とった。

「―――刹那が――――…」

「―あんな奴―――…」

「――あははっ♪――…」

「――――ほんじゃねっ♪――…」


2人の内緒話が聞こえてくる。
耳が人より異常にいいあたしは、1人の男子の名前を聞きとった。

あたしの大好きな人。
…小城刹那の名前。


笑いながら苺と喋っとる百合を見て、無償に腹がたつ。

…あたしはこんなに苦労しとんのに…。
百合は笑っとる。


…あたしはこの時分かった。

自分は百合が憎いんだ、と…。
< 10 / 25 >

この作品をシェア

pagetop