交差する想い
あたしはうつむきながら心の中で、百合に謝った。

やばい…泣きそう…。
でもあたしは百合がうざかった。
心のどこかで、百合を憎んどったんやろ思う。


「何もないんやったらええわ。　じゃね」

そりゃ百合、怒るよな。
あたしが悪いねんもん。
でも、あたしは百合が憎い。

百合が立ち去った後で、あたしは拳を握り締めた。
口が勝手にゆっとった。



「…………いい気になって」


あたしは、自分で発した言葉でめっちゃびっくりした。
あたし、百合のこと、こう思っとったんや。

百合は悪ない。
でもあたしは百合の事憎んどった。
そんなあたしは…自分に腹がたって、いつの間にか泣いとった。
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表紙・目次

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