笑って泣いて恋をして。
「乃亜ってさぁ、意外と臆病だよな?」


「うっさい!!勝手に呼び捨てしないで!!最悪っ」


あたしは立花を無視して教室を飛び出し、図書館に向かった。

―図書館


「最悪……」


運が悪すぎ。
あたしは高校生になれば誰だって大人っぽくてあたしには遠すぎる程になるんだ。
と思っていた。
だけど、案外…中学生の男子とそんなに変らなかった。

すぐにあたしをいじめの対象にする。

でも、中学校と違ったのは守ってくれるクラスの女子がいたから。
何かあったらすぐに助けてくれる。


「あれ?先客?」


椅子に座ったまま、振り向くとそこには…


「裕人…」


「どーした?」


メガネを掛けなおしながらあたしの隣に座る、裕人。

榊原 裕人(さかきばら ひろと)
あたしの幼なじみで一番の理解者
見た目は地味
だけど、メガネを取るととてもイケメン
このギャップがまた面白い
穂里のことが好きなんだって!!


「いや…別に…」


幼なじみに下手に知られてたまるか!!


「どうした?隠すことはないと思うよ 僕はいつでも乃亜の見方だからね」


「ありがとう そういえば、穂里 男子に呼び出されてたよ」


「あー 知ってる 見てた」


「え… 裕人っていつからそーいう趣味になったの?」


「乃亜、勘違いしないで 体育の授業の移動の時たまたま、見ただけだから」


裕人ったら、嘘付いているのバレバレだよ。
目が泳ぐんだよね、裕人が嘘付くときは。



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