笑って泣いて恋をして。
次の日
「――ということであたしの恋終わりー!」
事後報告するとホノリと裕人は苦笑いをした。
どこに苦笑いする要素があるのよ。
「なに?」
「ほんと、」
勢いよくあたしの方に身を引き寄せてきたホノリに少し驚きながら後ずさった。
「ほんと、ノアって馬鹿だよね!馬鹿!」
「馬鹿って…」
「ノアの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ァ!クソ野郎!ばかば…」
ホノリの目からポロリと流れてきた涙にあたしはたじろぐ。
うう、泣かないでよ…。
「ホノリ、なんで泣くの」
「ノアだって泣いてるじゃない」
気付いてた。
生暖かいものが頬をすべり落ちていくことに。
よく小説とかで気付いたら…ってあるけど、それは絶対ない。
どこかしらで気付いているけど認めたくないだけなんだと思う。
「ホノリ…どうしよ…」
「まだ逆転のチャンスあるって!世の中、下克上よ!!」
さっきまで弱弱しく泣いていたホノリは急にイスから立ち上がり天上にグーを向けていた。
あまりにも速すぎる変り様に裕人は少しフリーズすると慌ててホノリを座らせた。